今回は、前泊をせざるを得ない遠方での句会。
奥久慈の大子町の宿泊先は温泉で、その夜は二回入った。
しかし、のんびりすることもなく、やはりそこは句会のメンバー。
夕食後、部屋に9人が集まり、敷かれていた布団を片付け、11時過ぎまで句会。
兼題は「葛の花」「稲」「野分」で、当季雑詠を含み5句出句。
この句会で勉強になったのは、いわゆる「キセル俳句」について。
上五と下五の両方に名詞を使うことはよくない。句に広がりが欠け、余韻もなくなる。
その例となった句は、実は私の出句で、兼題の「葛の花」を上五にそのまま使ってしまった。
「葛咲いて」とされたらとの指摘。知ってはいたが、言い訳しても始まらない。
さて、句会当日はマイクロバスで八溝山の山頂へ。
ここは茨城・福島・栃木の三県にまたがるところで、標高は1,020m。
そこから300mほど下がったところに
八溝山日輪寺があるが、「遥拝ですましてしまう者がいたほどの坂東札所第一の難所」だそうだ。
あいにく、雲海にはばまれて視界はもうひとつだったが、その雲海は見事。
宿泊した余暇開発センター「やみぞ」に戻って、1時から句会。53名が3句出句。
前日に袋田の滝を訪れた方も多く、滝の句も多く出された。
私はパッとせず、一般選で一度名乗っただけ。
今回の吟行地は、水戸から水郡線のローカル列車に乗って約1時間半もかかる奥地で、再び訪れることはないだろうと思いながら、大子の駅を後にした。
自宅には9時前に辿り着いた。
雲海に総身ゆだね日輪寺 研一